また、建物の内部設計においては、部屋数は30室(定員33名)に絞り、ホール、ダイニング、ラウンジ、テラスといった贅沢な共用スペースを生み出しました。このスペースは、様々なイベントの実施や、ご入居者様同志、ご家族ご友人との団欒の場として利用されていますが、ともすればお部屋にこもりがちになる"要介護高齢者"の方々の"交流"を促す大切なスペースにもなっています。
幅2.1メートルの広い廊下は、実際のホーム生活において、実に多くのメリットを生み出しています。例えば、車椅子同志がよけあうことなくスムーズに行きかえますので、安全に車椅子を自走しての散歩ができますし、杖を使ってゆっくり歩かれる方々にとっても安全な歩行スペースが確保できます。
随所に置かれた椅子は、この広い廊下を使って広いホーム内の散歩の途中での"お休み処"として格好です。 歩行はとても良い機能訓練のひとつですから、どんどん歩いていただきたいのです。だからこそ、毎日のお食事のときダイニングに向かわれたり、お風呂にいかれたり、散歩されたりといった様々な日常の生活シーンでの安全の確保はとても大切です。カペナウムでは廊下を歩くことがそのまま機能訓練に結びついています。
一方、スタッフにとっても、掃除、リネン交換、カート利用による介護作業等などの業務を行うのに廊下幅が広いのは大変便利です。このように"カペナウム"では、廊下は決して"利益を生まないデッドスペース"ではなく、幹線道路、休憩処、訓練スペースといった様々なベネフィット(利益・効用)を生み出すスペースなのです。入浴の形もカペナウムのこだわりの一つです。浴室は1階に機械浴とシャワー浴の設備が1つずつと個別介助浴室が1つ。2階には家庭にある浴室が1つの計4つの入浴設備が整えられています。入浴は全てお一人ずつの利用になり、ご入居者様のお体の状況によってそれぞれの設備が使い分けられています。また、機械浴設備と個別介助浴室では、お湯や水の循環利用は行わず1回毎にお湯を廃棄し浴槽内を洗浄することによって、感染予防をより確実なものとしています。