私たちの仕事は、"気づき"が出発点です。同じ日が二度とこないように、環境や状況、ご入居者様のお気持ちも少しずつ日々変化があります。その変化を”気づき”ととらえ、大切にすることによって、ご入居者様やご家族様からは"信頼"が、スタッフからは仕事への緊張感と前向きな姿勢が生まれてきます。
私たちは、ご入居者様の”生活の助け手”として、一人ひとりのご希望にあったサービスを、丁寧に提供することを通して、”感謝”と”信頼”に基づいた新しい価値の創造に取り組んでいます。そして、ご入居者様の毎日に「彩り」と「喜び」を添え、「カペナウムに来て本当に良かった」と思っていただけるホームを目指しています。
「カペナウム」(ギリシア語)とは、新約聖書に登場するガリラヤ湖(注1)の北西にあった町の名前です。元前1世紀から紀元7世紀頃まで栄え、現在は遺跡として残っています。当時は、ガリラヤ地方第一の町で、イエスの宣教の本拠地となったところです。イエス自身も「自分の町」と呼ぶほどに親しまれました。
ユダヤ国家の中で、宗教、伝統、学問の中心地であった南部地方は、保守的な土地柄でしたが、一方、北部地方は農業、商工業が栄えた地域で、そこの中心都市であったカペナウムは、ダマスカスとエジプトを結ぶ幹線道路がとおる交通の要衝で、商工業が栄える国際都市でした。
多くの外国人、商人、旅人が行きかい、多様な価値観が共存共栄していたと考えられます。おそらく住民は進取の気質に富んでいたことでしょう。だからこそイエスの新しい教えに耳を傾け、イエスの活動の本拠地になりえたのではないかと思います。さて、この地カペナウムで、イエスは中風にかかった人や熱病に苦しむ人の苦しみを癒したり、死んだ娘を起き上がらせたり、イエスの着物に触っただけで女の病が治ったりといったたくさんの奇跡を行っています。
小林義徳・美知夫妻(カペナウム病院設立者)は、自らが設立する脳卒中、中風の患者さんたちのリハビリテーション専門病院の名前を、上記のような聖書が伝える歴史的背景と宗教的な意味をもつ「カペナウム」といたしました。また、氏が熱心なキリスト者であったことから、「イエス様がいつも側にいてくださるように」との思いも込め、キリストの教えに忠実に「奉仕の心を持ち、苦しみ悲しみの中にある人々と共に歩み、その人たちを支え生きよ」という理念を、表明いたしました。
この思い(理念)を継承した長島義剛・のぞみ夫妻(病院設立者の娘夫妻)が作り上げたのが、グランドホーム・カペナウムです。グランドホーム・カペナウムは、「奉仕のこころ」(継承した理念)に、「感謝のこころ」を加え経営理念の2本柱とし、清瀬市初の介護付有料老人ホームとして13年間真摯に事業に取り組みました。未来に向けて更なる事業発展を模索する中、平成30年6月、この事業理念に深く賛同した柳内光子が事業を継承し、現在に至っております。注1)今日のイスラエルのテル・フームにあった。